1・17 マイナンバー制度10年を問う集会

 

2026年1月17日、「マイナンバー制度10年を問う集会」が東京の文京区民センターで開かれ、80名が参加した。主催は「共通番号いらないネット」。2015年10月5日マイナンバー制度が施行されてから10年を振り返り、マイナンバーカードの押し付けに反対し、従来の保険証の復活を政府に求めていくことを確認した。

東京保険医協会、吉田章副会長はつぎのように発言した。

政府は「過去のお薬・診療データに基づく、よりよい医療が受けられる」というが、2023年の厚労省調査では「マイナ保険証は患者に利点がない」と病院の半数が答えている。従来、個人の医療情報は医師または当該医療機関でのみ保管されてきた。日本医師会の倫理綱領では「医師は患者の医療情報やプライバシーを守る義務がある」と謳っている。しかし、これからの医療情報の取り扱いは、「全国医療情報プラットホーム」を使い、医療機関から他の医療機関へ患者の同意なしに伝えることが出来るようになる(医師の職業倫理「ヒポクラテスの誓い」の否定)。この情報は生涯消えることがない。医療情報は個人の最も重要なプライバシーのひとつである。「自分の医療情報が共有化されることを国民は望んでいるのか?インフォームドコンセントはどうなってしまうのか?」等、原点の議論が不十分のまま利活用の制度だけが進行している状態である。

日本に7年住んでいる外国人の男性は、「2026年度から、3か月以上日本で暮らしている外国人に交付される在留カードに、マイナンバーカードの全機能を統合することができるようになる」と話した。この問題に対して、私的な情報交換グループを作って考えているが、民間を巻き込んだ個人情報の国による利活用を象徴する仕組みであり、「欲しいかどうかも聞かれてもいないし、抗議もできない」と訴えた。

このほか、マイナンバー違憲訴訟東京弁護団、としまる、静岡、浜松からの報告があった。

IT産業において世界的に遅れをとった日本が焦り、「5年で最先端のIT国家を目指す」としたが、制度設計自体が不完全であり、ITによる省力化どころか、真逆の結果になっている。国内の技術力が育たないため、制度の根幹であるクラウドシステムを外国企業に委ねてしまう事態を招いている。IT化が十分な国民的議論もなされないまま進められてきたが、マイナ保険証はその歪みの表れである。一旦、立ち止まるときが来ていると思う。〔池〕