3・7長射程ミサイルを作るな!配備するな!小牧集会

2026年3月7日、愛知県の小牧市内で「三菱・防衛省は長射程ミサイルを作るな!配備するな!小牧集会」がもたれ、300人ほどが参加、集会後には200人が三菱は長射程ミサイルを作るな!とデモで呼びかけた。

  

 集会では主催者あいさつで飯島滋明(憲法学)さんが、長射程ミサイルの配備は憲法違反、現在行われているアメリカとイスラエルによるイランへの攻については国際法違反とし、横須賀の米軍基地からミサイル艦が出撃し攻撃に参加している現状を批判した。続いて防衛ジャーナリストの半田滋さんが「敵基地攻撃と日米一体化」の題で基調講演をした。その後、愛知、熊本、静岡から長射程ミサイル反対の運動の報告がなされた。

 半田滋さんは次のように話した。

 安保関連法は存立危機事態で集団的自衛権を行使し、重要影響事態で他国軍を後方支援できるようにした。安保法制定後、日本は「自由で開かれたインド太平洋」の名で、中国の一帯一路に対抗した。海上自衛隊は南シナ海に3隻の態勢で毎年60日ほど派遣されるようになったが、近年をみれば25年4月から11月にかけて5隻で215日間も派遣されるようになった。どのような訓練をしているのかといえば、日米共同訓練や対潜戦訓練などをしている。2022年の安保3文書により、敵基地攻撃能力(反撃能力)の名で先制攻撃が可能になった。法や閣議決定による憲法への下剋上が進んでいる。日米の一体化とは自衛隊が米軍の指揮下に入り、米軍の2軍となることだ。日本の主体的判断は失われ、憲法は空文化される。

 高市政権の安保政策の見直し内容は、殺傷力のある武器輸出の解禁、非核3原則の見直し、防衛費のGDP比2%の前倒し達成、防衛産業の国営工廠化、VLS(垂直発射装置)搭載の原潜建造、スパイ防止法の制定、日本国章損壊罪、自衛隊の階級呼称の変更、憲法9条の改正などである。1976年に宮澤喜一外相は「わが国は武器に輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれてはいない。」「もう少し高い理想を持った国として今後も続けていくべき」と話しているが、武器を輸出して「落ちぶれ、高い理想を捨てた国」になり果てている。

 防衛費も増額している。2026年度の防衛費案は9兆353億円と過去最大となり、4年間で3兆6000億円も増えた。スタンドオフミサイル関連で9733億円が計上されている。12式長射程ミサイルはさらに1000キロから1500キロに延長され、高速滑空弾は2000キロから3000キロの射程となる。海外に向けて撃つことができるものであり、これまでの政府の見解は攻撃的兵器の保有は許されないとしていたが、これに反する。政府は抑止力になるというが、中国は核を保有し、中国軍は200万人もいるのだから、抑止にはならない。更なる軍拡を招く。

これまで冷戦対応で北海道を中心に88式地対艦ミサイルを配備してきたが、その後は九州・沖縄に12式地対艦ミサイルを配備している。12式能力向上型が健軍に配備され、富士に高速滑空弾が実践的運用を含めて配備される。また、空港港湾の平素からの利用が重要視されている。自衛隊が使用するようになれば軍事目標とされ攻撃対象となる。

 三菱重工業の防衛省との契約額は2023年度で1兆6803億円に増加した。2022年が3652億円であり、約4.6倍となった。株価も上昇している。三菱には防衛省・自衛隊からの再就職も用意され、23年度までの5年間で統幕、陸幕、海幕から19人が天下っている。一人年収は2700万円ほどであり、年2千万円とすれば、19人で4億円の給与となる。川崎重工、NEC,三菱電機、富士通でも同様に天下りがある。

 対外有償軍事援助FMSでの分割払いによるアメリカからの兵器購入も進んでいる。日本が購入したグローバルホークは旧型のブロック30であり、米軍は脅威に対応できないとして廃棄したものであり、使用が継続されているのはブロック40である。この3機を510億円で契約、その後アメリカは629億円に値上げした。この維持管理費の120億円のうち30億円がアメリカの技術者の生活費に充てられている。「防衛力強化の財源特別措置法」も成立し、増税や赤字国債発行が見込まれる。

 元自衛艦隊司令官香田洋二は「現場が必要なものを積み上げたものなのだろうか」「身の丈を超えている」「子供の思いつきかと疑うほど」、「(イージスアショアは)政治的な迷走の象徴」「悪のりしている防衛省・自衛隊の姿」と評している(2022年12月23日、朝日新聞)。

高市首相は25年11月7日の国会で台湾有事を存立危機事態とみなすと発言し、撤回しようとしない。個別具体的な状況を例示してこなかった従来の政府の立場に沿わないものである。なお、米軍への攻撃が存立危機事態に当たるとみる解釈もある。米軍が台湾有事に介入し、日本が米軍の出撃基地になれば、基地ばかりでなく、民間の空港や港湾が攻撃され、打撃を受ける。戦場は日本と台湾であり米国や中国ではない。日本の対米支援は加害となり、被害を招いて自滅することになる。

政府は敵基地攻撃能力を保有し、「抑止力」を高めれば安全とするが、軍事力強化は戦争を呼び込む。国民の犠牲の上に成り立つ国防はなどあり得ない。平和は軍事力ではなく、命がけの外交によって実現する。米中に対して日本は発言力があるはずだ。(t)