明日の約束
                生 駒 孝 子
    「また明日」人々は口々に約束を交わし
 家路に向かう。
    明日が本当に来るのか 誰が知っているのだろう。
    
彼の国に「また明日」という言葉があるのか
 私は知らない。
 「給油」を受けた戦闘機が何を蹂躙したのかなんて
 私は知らない。
 知らなくても 私の明日はきっと来る。
 明日の約束を無邪気に信じるこの国で 
 私はあなたの死を知った。
 あなたは種を蒔いただけだ
 腹ペコの子どもを満たすために。
 あなたは水をひいただけだ
 緑なす大地を呼ぶために。
 豊かな実りを夢に見て 人も国も作物も
 私も種を蒔こう まずは私の小さな土地に。
 「知らないことを知る」種を蒔こう
 「また明日」の実を結ぶ。
その種が 
いつか彼の地まで葉を繁らせる日が来るまで。